- 1 アハズヤの母アタルヤの生涯:息子アハズヤ王の子を皆殺しにして王になった
- 2 アハズヤの子ヨアシュは生き残った
- 3 アタルヤの治政7年目に、ヨアシュは王になった。
- 4 アタルヤは「謀反だ」と騒ぎ立てたが、彼女は主の宮の外に出されて殺された。
- 5 観察:これらのことからわかること
- 5.1 観察1、アタルヤは自分が国を支配するために、子も孫も皆殺しにした。しかし7年目に彼女は殺され、アハブ一族は絶えた。エリヤの預言通りである。
- 5.2 観察2、エホヤダは主の定めを忠実に守って、ヨアシュを載冠した。 ここから、載冠の正式な方法を知ることができる。2列王11:11-12、2歴代23:11
- 5.3 観察3、アハズヤの子、ヨアシュは奇跡的に助け出された。神は約束を違える方ではない。 抹殺の危機にあっても、ダビデの家系は、絶えることはなかった。
- 5.4 観察4、王も民も「主の民となる契約」を結んだ。そして、バアルの宮、その祭壇と像を打ち砕き、祭司マタンを殺した。国に平和が戻ってきた。2列王11:17、2歴代23:16
- 6 適応:わたしの人生に応用できること
アハズヤの母アタルヤの生涯:息子アハズヤ王の子を皆殺しにして王になった
- アタルヤは、イスラエルの王ヨアブを見舞いに行った息子アハズヤが、エフーに殺されたことを知った。2列王11:1
- するとただちに、息子アハズヤの一族を皆殺しにした。2列王11:1
- 6年間ユダを支配した。
アハズヤの子ヨアシュは生き残った
- ヨラム王の娘、祭司エホヤダの妻、エホシャバが、アハズヤの息子の1人ヨアシュを救い出した。
- 主の宮で6年間かくまい育てた。2列王11:3
アタルヤの治政7年目に、ヨアシュは王になった。
- アタルヤの治政第7年目に、祭司エホヤダは、近衛兵の百人隊の長らを集め王の子を見せた。
- 彼らと、「ヨアシュを王にする」契約を結んだ。
「ご覧のとおり、主がダビデの子孫について約束されたように、王の子が王となるのです。」2歴代23:3 - 近衛兵の、王宮と神殿の警護を強固にした。安息日でも、いつも王を守るよう命じた。2列王11:5-11、2歴代23:4-10
- 安息日に宮の外に待機させた。そして安息日に民が宮で、ヨアシュを神殿の柱のそばに立たせて、ユダの王として載冠した。
- 王冠をかずらせ
- さとしの書を渡した。(律法の書)
- 油を注いだ。
- 手をたたいて「王様ばんざい」と叫んで宣言した。
アタルヤは「謀反だ」と騒ぎ立てたが、彼女は主の宮の外に出されて殺された。
- アタルヤはそれを知ると、「謀反だ」と騒ぎ立てた。
- しかし、宮の外に出されて殺された。
観察:これらのことからわかること
観察1、アタルヤは自分が国を支配するために、子も孫も皆殺しにした。しかし7年目に彼女は殺され、アハブ一族は絶えた。エリヤの預言通りである。
アタルヤは、ダビデの家系が王位を引き継げば、北王国から来てバアルを拝む自分は殺されると危機感を持った。それにしても、自分の孫を殺すとは、恐ろしく非情な女である。
アタルヤの母イゼベルは、アハブの妻となり、王をそそのかして、北イスラエルにバアル信仰を広めさせ、預言者エリヤを殺すことに人生をかけた女であった。アタリヤも母と同様、もしくはそれ以上に主の目に悪を行った。彼女は、ユダの王ヨラムと結婚して王に影響を与え、バアル信仰を広めさせた。息子アハズヤの治政においても、権力を持ちつづけた。そして息子の死後、自分が生き残るために、ユダを支配して、主への信仰を根絶やしにする野望を抱いたことは罪深い。しかし、神はこのことをゆるさなかった。彼女の治政7年目に、死んだと思っていたヨアシュによって支配権をうばわれ、あっけなく殺された。神のダビデと結んだ契約、またアハブ一族が滅亡するというエリヤの預言は地に落ちることはなかった。
観察2、エホヤダは主の定めを忠実に守って、ヨアシュを載冠した。
ここから、載冠の正式な方法を知ることができる。2列王11:11-12、2歴代23:11
- 人々は宮に集まり、神殿に向かって立つ。王は、神殿の柱のそばに立つ。
- 祭司は王冠をかぶらせる。
- 王にさとしの書(律法が書かれた本)を渡す
- 祭司が「このものが王だ」と宣言する。
- 民が「王様ばんざい」と叫ぶ。ラッパを吹き鳴らす。
観察3、アハズヤの子、ヨアシュは奇跡的に助け出された。神は約束を違える方ではない。
抹殺の危機にあっても、ダビデの家系は、絶えることはなかった。
アハズヤの異母兄弟で、大祭司エホヤダの妻となっていたエホシェバが、殺される王の子たちの中から、ヨアシュを盗み出して、主の宮に隠した。ダビデの家系を継ぐ者は、絶えることがなかった。主がダビデと契約されたからである。
観察4、王も民も「主の民となる契約」を結んだ。そして、バアルの宮、その祭壇と像を打ち砕き、祭司マタンを殺した。国に平和が戻ってきた。2列王11:17、2歴代23:16
「主の民となる契約」とは、「主だけを拝み、他の神々を拝まない」、「主の命令に従う」という意味である。具体的には、偶像礼拝を避けること、律法を守って生きることである。これらを実行すると民は神と契約を結んだ。それで、彼らはバアルの宮を破壊し、その像を徹底的に打ち砕いた。さらにバアルの祭司長と思われるマタンを殺した。アタリヤによって広まったバアル信仰が廃止され、イスラエル神への信仰が復興した。そして、民が主に立ち返るとき、主はイスラエルを外敵から守られ、国が平和になる。これは、旧約聖書の中で、たびたび繰り返されるパターンである。
適応:わたしの人生に応用できること
適応1、神の契約は変わらない。それを変えようと、いかに試みても決して変えることはできない。その証拠に、アタルヤはダビデの家系を根絶やしにすることはできなかった。私たちが神と結んだ契約も変わらない。自分の失敗も、他者からの非難も、私たちに対する神の約束を変えることはできない。
神はダビデと契約を結ばれました。ダビデの家系からキリストが生まれることが神の計画でした。だから、アタルヤがダビデの子孫を1人残らず殺そうと、やっきになってもできなかったのです。神がそれをゆるさなかったからです。主への信仰は常に攻撃を受けてきました。人々はなんとかして、キリストへの信仰を消滅しようと試みました。聖書を焼き払い、伝道者を殺し、教会を荒らしました。しかし彼らは、私たちの信仰をこの世から抹消することはできませんでした。なぜなら、神が建てられた契約は永遠に変わることがないからです。神は、この信仰が、この世で終わることがないと定められています。信じた者の信仰は、永遠に続くのです。ですから、反対する人がいくら頑張っても、本当に救われた人の信仰を奪うことはできません。私たちは、反対者を恐れる必要はありません。彼らは主の御心によって吹き飛んでしまう被造物にすぎません。アタルヤが、権力の座から引き下ろされたように、時が来れば主が彼らの力を奪ってくださいます。主は、信じる者の信仰を最後まで守ると約束されているからです。ヘブル書13章5-6節には下記のように記されています。
主ご自身がこう言われるのです。「わたしは決してあなたを離れず、また、あなた を捨てない。」そこで、私たちは確信に満ちてこう言います。「主は私の助け手です。私は恐れません。人間が、私に対して何ができましょう。」そうです。私たちは主に守られているのです。主の手が私たちをつかんでいてくださり、支えていてくださっています。自分の信仰、自分のわざではなく、主の約束、主の真実に信頼を置く者は幸いです。
適応2、主への信仰が定まるときに、心に平安が来る。自分の周囲が平和になる。
周囲の人との関係を修復するためには、まず主との関係を修復しなければならない。
主への二心のない信仰、偶像を排除して、主だけを礼拝の対象とする信仰は、人々の心に喜びをもたらします。心が定まるからです。そして、主はその人の信仰を喜ばれ、問題が起こることを抑えられ、周りに平和が訪れます。つまり、これをすれば、あれをしないようにすれば、心に喜びが湧き、友達と仲良くでき、学校や仕事、家庭に衝突がなくなるのではありません。あなたが、真に礼拝すべき神に向き変わる時、言い換えると、あなたの二心の信仰が、主だけに定まるとき、あなたの心に安定した喜びが来ます。あなたが主との平和を得た後に、あなたの周りにいる人々との関係が、平和なものに変えられていきます。私たちは、順番を間違えます。まず、周りの人との改善に心が行きます。しかし、本来は、主との関係を修復することが、一番目にしなければならないことです。あなたと主との交わりの深さに応じて、他者との関係も改善されていくからです。