Ⅰ ヨシヤはダビデの神、主を求めた
彼は主の目にかなうことを行なって、先祖ダビデのすべての道に歩み、右にも左にもそれなかった。2列王22:2
マナセの子ヨシヤ。8歳で王になり31年間治めた。治世8年目(16歳)から主を求め始めた。
12年目(20歳)から宮を聖め始めた。2歴代34:3
Ⅱ 律法を知って悔い改める
- 治世18年目(26歳ごろ)のとき、主の宮の修繕に取りかかった。
そのとき、「律法の書」が見つかる。2列王22:9~
祭司ヒルキヤに集めた金を渡した。ヒルキヤ――工事の監督するレビ人――工事をする者たちへ支払らわれた。
そのとき、ヒルキヤが宮の中から「律法の書」見つける。「モーセ五書」のことだと思われる。(創世、出エジプト、レビ、民数、申命記) - ヨシヤ王は、律法の書ことばを聞いて、悔い改めた。
王は律法の書のことばを聞いたとき、自分の衣を裂いた。2列王22:11
行って、この見つかった書物のことばについて、私のため、民のため、ユダ全体のために、主のみこころを求めなさい。私たちの先祖が、この書物のことばに 聞き従わず、すべて私たちについてしるされているとおりに行なわなかったため、私たちに向かって燃え上がった主の憤りは激しいから。2列王22:13
ヨシヤは、先の王達、また自分たちが主を激しく怒らせていることを知った。
そして預言者フルダに人を遣わし、主のことばを求めた。 - 装束係シャルムの妻 フルダの預言
彼らはわたしを捨て、ほかの神々に香をたき、彼らのすべての手のわざで、わたしの怒りを引き起こすようにした。わたしの憤りはこの場所に燃え上がり、消え ることがない。(2列王22:17)あなたが、この場所とその住民について、これは恐怖となり、のろいとなると、わたしが言ったのを聞いたとき、あなたは心を痛め、主の前にへりくだり、自分 の衣を裂き、わたしの前で泣いたので、わたしもまた、あなたの願いを聞き入れる。それゆえ、見よ、わたしは、あなたを先祖たちのもとに集めよう。あなたは安らかに自分の墓に集められる。それで、あなたは自分の目で、わたしがこの場所に もたらすすべてのわざわいを見ることがない。(2列王22:19)主は、ユダが滅亡すること。しかし、ヨシヤは悔い改めたので、彼の代ではこのことは起こらないこと。ヨシヤは、先祖たちと共に集められることを告げた。
Ⅲ ユダから偶像を除く
- 預言者、祭司、ユダのすべての人々を集めて、律法の書を聞かせた。
皆は、このことばを実行することを誓った。彼らは、王が生きている間は、主の道からそれることがなかった。2列王23:1-3, 2歴代34:33 - 主の宮から偶像を取り除いた
アシュラ像、天の万象を拝むための道具(マナセが置いた)を焼いた宮の2つの庭に、マナセが置いた祭壇を除いた。2列王23:12
宮の入り口にあった、ユダの王たちが、太陽に献納した馬、太陽の車を焼いた。2列王23:11 - エルサレム、ユダにあった偶像を除いた
王宮にあった神殿男娼の家を壊す。高き所を取り除いた。(ここで偶像に香がたかれた。バアルの祭壇や像があった。)2列王23:7 - 霊媒、口寄せ、テラフィムなどすべて主の忌み嫌われる者を除き去った。2列王23:24
Ⅳ サマリヤに出向いて偶像を除く
- ベテルで、ネバテの子ヤロブアムが造った偶像を壊した。2列王23:15
- 山の中の墓から骨を取り出し祭壇の上で焼いて汚した。(偶像礼拝者を愚弄するため)2列王23:16
- 神の人の墓を発見。神の人とベテルの預言者の骨はそのままにした。2列王23:17,18
「神の人」とは、ヤロブアムに、ヨシヤが造った像を壊すと預言した人。帰りに、ベテルの預言者にだまされ、彼の家で食事をしてしまった。「立ち寄ってはならない」との主の命令に違反した。そのため、帰路で、ししに襲われて死んだ。
ベテルの預言者は神の人の死を悲しんだ。彼のために墓をつくり、自分も死んだら、となりに入れてくれと頼んだ。1列王13章 - サマリヤの町ある高き所を取り除き、偶像に仕える祭司たちを焼いた。2列王23:19-20
Ⅴ 過越の祭りが盛大に行われた(ヨシヤの治世18年目)
預言者サムエルの時代からこのかた、イスラエルでこのような過越のいけにえがささげられたことはなかった。2歴代35:18
ヨシヤは、人々に、いけにえのための動物を与えた。民に羊とやぎを合せて3万頭、牛3千頭を与えた。祭司たちには、羊2千6百頭、牛3百頭レビのつかさ達には、羊5千頭、牛5百頭を与えた
Ⅵ 主の御心に背き、エジプトと戦い戦死する
- エジプトの王パロが、アッシリヤを援護して、バビロンと戦うために出てきた。2列王23:29,2歴代35:20
彼らは、ユーフラテス河のカルケミシュに向かっていた。 - パロは、「あなたを攻めにきたのではない。ひかえていなさい」と言った。2歴代35:21
これは、主がパロを通して語られたことばだった。しかし、ヨシヤは身を引かず、出陣した。 - 変装して戦場に行ったが、矢が当たって死んだ。2列王23:21,2歴代35:22
御心でないことがわかっているから、負ける不安があった。変装すれば、敵の攻撃の的にならないと考えた。
ヨシヤの生涯からの考察と適応
考察1、限度を超えて主を怒らせるなら、裁きは決定的なものになる。ヨシヤは良い王であったが、過去の王たちの悪のため、ユダ滅亡の計画は変わることはなかった。
ヨシヤは主に忠実でした。また、民も主の道にそれることなく従いました。しかし、主のユダに対する憤りは消えることはありませんでした。ユダの王たちは、偶像を拝み、預言者たち、主に忠実な民を殺してきました。主は、忍耐深くユダを導いておられました。しかし、主の忍耐も限界を迎え、主は、ユダが滅ぶように定められました。ここまで主を怒らせたなら、もはや何によっても、その決定は変更されることはありません。ヨシヤたちが偶像を徹底的に除き去っても、主の怒りは治まることはなかったのです。
私たちにとって、死後さばかれる決定を下されることが、ユダが滅亡を宣告されたことと同じです。何をすれば、主を怒らせるかは、この章から明らかです。主は、ご自身にのみ礼拝がささげられることを望まれます。他の神々を拝み、感謝することを主は忌み嫌われます。主に助けられて成したことを知らず、自分の知恵や能力を誇ることを、主は嫌われます。主から、決定的なさばきの宣告を受けることがないようにしたいものです。
考察2、主は、ユダ滅亡直前に、王国のあるべき姿を再現された
ユダに悪い王が続きました。しかし、ヨシヤによって、ユダ王国に、信仰の復興が起こりました。過越のいけにえが、盛大にささげられました。主への祈りの煙が立ち上りました。主は、このことを望まれたのでしょう。この光景は、ソロモンがいけにえをささげた時のことを、ユダの人々に思い出させたのではなかったでしょうか。ユダの滅亡を目前にして、主は、ご自身が立てた王国の、本来あるべき姿をご覧になりたかったのではないでしょうか。民がご自身のみを礼拝し、ご自身に従う姿をご覧になりたかったのだと思います。ヨシヤはそのために用いられました。
そして、彼は、自分の務めを十二分に果たしたのだと思います。
考察3、ヨシヤの失敗。善王であっても御心に背くなら命を失う。
ユダは、アッシリヤに悩まされ続けてきました。ヨシヤは、もしエジプトの王パロが、アッシリヤに味方するなら、バビロンを倒しさらに強大な国になるにちがいないと思いました。そこで、そのことを阻止するために、パロと戦ったのでした。しかし、ユダはエジプトに敗れました。エジプトは、その後、アッシリヤと共にとバビロン戦いましたが、両国ともバビロニヤに敗れました。
ですから、ヨシヤが進軍したことは無駄だったのです。彼が、阻止しなくてもアッシリヤは負けたのです。
そうであるなら、何もしないで見ていたほうがよかったのです。
主は、パロの口を通して彼に警告を与えておられたのに、彼は主のことばに逆らって身を引きませんでした。2歴代35:21,22
これは、彼の治世18年目に過越のいけにえが復活し、イスラエルに信仰の復興が起こってから、わずか13年後のことでした。
もし、彼が出陣していなければ、彼の治世はもっと長く続いたことでしょう。
彼の治世が長く続けば、主が称えられる、あるべきユダ王国の姿がこの世に長く存在したことでしょう。
本当に残念です。私が、残念と思うくらいですから、当時の民はもっとそう思ったはずです。
その証拠に、「全イスラエルは彼のために喪に服した」
「エレミヤはヨシヤのために哀歌をつくった」とあります。2歴代35:24,25
ヨシヤ良い王であった。しかしユダの滅亡は決定されていた。過去の王たちの罪のためである。
主は彼の代ではそのことは起こらないと約束するにとどめられた。
1. 先祖の罪が自分の人生に影響することはもはやない。
キリストの十字架が立ったから。罪が完全に赦される。
モルモン、ペンテコステ、先祖の家系をたどって祈る。気をつけよ!
自分の罪も完全に赦されている。困難は訓練としてくる。
2. 良いことであっても、御心でないときは失敗する。主の御心をまず求めて行動すること
ヨシヤはアッシリヤを倒そうとした。しかし戦死した。主は彼の命を助けられなかった
彼が主の忠告を無視して戦争につき進んだからだ。確かに、異邦人を倒すことは良いこと、正しい。
しかし、それでさへ私たちは主の御心であるかどうか、いつも尋ねる冷静さを持っていたい。
自分の熱心ではなく、主の熱心によって、宣教を進めていくべき。