ユダ王国の滅亡。最後にはバビロン王国により民は虐殺され、連れ去られて奴隷になった。これは、マナセが犯した罪のため、彼が犯させた民の不信仰のためであった。しかし、主は、エレミヤによって、70年後に帰還できると、希望のメッセージを伝えた。
Ⅰ ヨシヤの子 エホアハズ(3ヶ月) エジプトのリブラで死んだ
- 23歳で王になり3ヶ月間王であった。
- ヨシヤがエジプトと戦って戦死した。ユダをエジプトが支配した。
- エジプトの王、パロ・ネコはエホアハズをハマテのリブラに幽閉。
- ユダに、銀100タラント、金Ⅰタラントの税を課した。
Ⅱ ヨシヤの子 エホヤキム(11年)バビロンに反逆 バビロンへ
- エホヤキムは25歳で王になり11年間おうであった。
- パロ・ネコは「エルヤキム」を「エホヤキム」と名前を変えて王にした。
- パロが要求する金銀を、民から集めた。
- 主の目に悪を行った。2列王23:30、2歴代36:5
- バビロンの王ネブカドネザルが攻め上ってきた。2列王24:1、2歴代36:6
- それで、3年間、彼らのしもべになる。
- 3年後、バビロンに反逆した。2列王24:1
- エホヤキムは、青銅の足かせでつながれ、バビロンに連れていかれた。2歴代36:
- ネブカドネザルは、主の宮の器具を持ち去り、自分の宮殿に置いた。2歴代36:7
Ⅲ エホヤキムの子 エホヤキン(3ヶ月)バビロンに降伏 バビロンに捕囚
- 18歳で王になり、3ヶ月間王であった。
- 主の目の前に悪を行った。2列王24:9、2歴代36:9
- バビロン軍がエルサレムを包囲。エホヤキンは降伏した。
- ネブカドネザルは、王宮と主の宮の財宝を分捕り、有力者1万人、職人とかじ屋千人、宦官たち、勇敢な兵士7千人をバビロンに連れていった。2列王24:13、2歴代36:10
- エホヤキンの叔父ゼデキヤをユダの王にした。
Ⅳ ゼデキヤ(11年) 城を抜け出し、バビロンに連れていかれた。
- エホヤキムの叔父。ヨシヤの兄弟。21歳で王になり11年間王であった。
- 主の目に悪を行った。2列王24:19、2歴代36:12~16
- ゼデキヤは主のことばに従わず、預言者をばかにした。
- バビロンの王、ネブカドネザルが再び攻めてくる(ゼデキヤ9年目10月10日)
- 町は3年間包囲された。(ゼデキヤ11年目まで)
- デキヤは食料を求めて、城外に出た。そのとき、カルデヤ軍に捕まった。(4月9日)
- ゼデキヤの見ている前で、彼の子らが殺された。
彼は目をつぶされて、バビロンに連れていかれた。2列王25:7(5月7日) - カルデヤ軍は、エルサレムを破壊して火で焼いた。2列王25:9~、2歴代36:17~
宮、家、おもだった建物を焼き、城壁を壊した。男も女も年寄りも容赦なく殺した。
剣をのがれた者たちをバビロンに連れていった。
一部の貧民を残して、ぶどう作りの農夫にした。
Ⅵ バビロン王は、アヒカムの子ゲダルヤをユダの総督にする
- ゲダルヤは信バビロン派。民に仕えるように説得する。
- イシュマエル率いる反対派は、ゲダルヤを殺す。そして、エジプトに逃げる。
このとき、民や将校たちも逃げた。2列王25:26
疑問に思うこと
Q1、マナセの犯した罪を、神はゆるさなかった。そのためユダは滅亡した。しかし、マナセ自身は主に立ち返って救われた。この矛盾をどう説明するのか?
A1、マナセの救いは、「罪人に、刑罰を負わせることなく救う」ことを、旧約時代すでに神が計画され、実行されていることの証拠。キリストによる罪の赦しと救いの型がここにある。
主は、マナセの罪を赦しませんでした。マナセの罪のため、ユダは滅びに定められました。
ところが、マナセ自身は、途中悔い改めて主に立ち返り、救われました。神は彼の祈りに答え、彼の王座を回復しました。
マナセの罪の刑罰は、誰かが受けなければなりません。彼の代わりに、彼の子孫がその刑罰を受けました。しかし、彼自身は刑罰から免れて、天国に迎え入れられました。
このとは、「主イエスによる罪のゆるしと救い」と良く一致します。
信者の罪に対する刑罰を、誰かが受けなければなりません。それを主イエスが身代わりに、十字架上で受けてくださいました。それで信者は罰を受けることなく、天国に迎え入れられます。
マナセの例から、主が旧約時代にすでに、「身代わりの死による罪のあがない」を計画されていたことが明白です。キリストによる救いのみわざは、はじめから神の御思いの中にあったのです。
Q2、なぜ、エホヤキンは釈放され、高い地位を与えられて王と食事ができたのか?
A2、ダビデの家系を残す必要があったから。キリストはダビデの家系からお生まれになるから、もし家系が絶えれば、主の救いの計画が成就しないから。
主は、敵の王であったエビル・メロダクの心を動かし、彼がエホヤキンに好意的であるようにされ、彼の命を救われた。
なぜ、エホヤキンが釈放され、高い位を与えられたのか?なぜ、王は彼と共に食卓につき、彼に毎月の生活費を支給したのか、聖書は黙して語りません。
これは、誰も予想ができない、絶対にありえない展開です。このことが起きたのは、神の特別な介入によることでした。
歴史を支配して、人間の救いを成就されるのは神です。エホヤキンが生きながらえたことによって、ダビデの家系は途絶えませんでした。そして、主イエスが生まれる神の計画は実現
することができました。主は、ご自身の計画を成就するために、敵の王の心さえ、自由にあやつることができることを、ここに見ることが出来ます。
この章から学んだこと、自分に適応できること
1、ユダの滅びは、バビロンが強かったためではない。主がユダと戦われたためであった。
バビロン王国が強かったから、ユダが滅ぼされたのではありません。ユダの滅亡は、マナセの罪が主を極度に怒らせたために、主がバビロンを用いて、ユダを攻めさせたからでした。カルデヤ軍は、ユダの民を抹殺し、宮や建物を焼き、城壁を破壊しました。
主に滅びを宣告されることほど、恐ろしいことはありません。この宣告がくだされるなら、何をしても変更されることはないからです。主は忍耐深くユダを見守られ助けられました。その忍耐は、想像を絶するほど大きいものでした。
私たちに対しても、主は忍耐をもっていてくださいます。しかし、私たちが主を決定的に怒らせるなら、主イエスの救いを最後まで拒み続けるなら、主は私たちに滅びを定められるでしょう。この宣告は、私たちの耳に聞こえるのではなく、神が心に決められるので、私たちは気がつかないでしょう。このような宣告が下される前に、主に立ち返りたいものです。
2、なぜ主は、かたくなな王たちに、最後まで呼びかけられたのか?
1つは、国は滅びるが、個人が救われるため。
2つ目は、彼らの不従順を明らかにして、神からの裁きを、納得して受けさせるため。
彼は、異邦の民のならわしをまねて、不信に不信を重ね、主がエルサレムで聖別された主の宮を汚した。彼らの父祖野上は、彼らのもとに、使者たちを遣わし、早くからしきりに使いを遣わされた。しれは、ご自分の御住まいをあわれまれたからである。ところが、彼らは神の使者たちを笑いものにし、そのみことばを侮り、その預言者たちをばかにした。そこで、主の激しい憤りが、積み重ねられ、もはやいやされることがないまでになった。2歴代36:12―16
ヨシヤの後に出た王たちは、主の目に悪を行いました。そのような彼らに、主は、何度も使者を遣わして、みことばを語られました。しかし、彼らは、神のことばを軽く見て従わず、預言者たちをバカにして、エレミヤにさえもへりくだりませんでした。
主は、彼らが聞き従わない事実を積み重ねさせました。これは、彼らが、さばきのとき、自分に与えられる苦痛を、正当なものだと理解するためです。神に対して、不当だと訴えさせないためでした。
もう1つの目的は、ユダの国の滅亡は定められていましたが、その中に1人でも多く主に悔い改めて、魂が救われ、天国に入る者が出るためだと思われます。主は、最後までユダの民を憐れまれたのです。
3、バビロンの王ネブカドネザルは、イスラエルの神「主」を信じた
彼はまた、ネブカドネザルが、彼に、神にかけて誓わせたにもかかわらず。この王に反逆した。2歴代36:13
この箇所では、ネブカドネザルが、ユダの王に、イスラエルの神にかけて誓わせています。彼には、イスラエルの神への信仰があったのではないかと思い、調べました。
ダニエル書は、王について書いています。
- ネブカドネザルが夢で啓示を受け、ダニエルが解き明かしをした
- もう一度王は夢を見て、「高ぶるな」と神から警告を受けた。ダニエルが解き明かす。
- 王は7年間、気が狂って野をさすらうようになる
- 正気が戻ったとき、王は主にひれ伏した。
エレミヤ書にも、王についての記述があります。
- ネブカドネザルが「わたしのしもべ」と呼ばれている箇所が3カ所ある。
エレミヤ25:9、27:6、43:1
結論として、バビロンの王ネブカドネザルは、イスラエルの神、主に信仰を持ちました。
王は、バビロンに捕囚になっている民を、寛大に扱うことになったと思います。主は、敵の王の心を変えて、主に向かせ、ご自分の民を敵の手から守られました。主には、おできにならないことはありません。どんなに不可能だと思われる人も、主が働かれれば、変えられます。この希望をもって、私たちは、伝道を続けていきましょう。
王の心は主の手の中にあって、水の流れのようだ。みこころのままに向きを変えられる。箴言21:1