使徒の働き28章「パウロは、ローマで2年間大胆に語ることができた」

目次

マルタ島で冬を過ごしてからローマに向けて出航した

 28章1-10節

  1. マルタ島の人々は、親切にしてくれた。
  2. パウロは、1匹のまむしにかまれた。
    島の人は、マムシが彼の手から下がっているのを見て、この人は海からは逃れても、正義の神は彼を生かしてはおかないのだと思った。

    しかし、パウロは蛇を火の中に振り落として、何の害も受けなかった。
    島の人たちはパウロを「神様だ」と言った。
  1. パウロは、島の人々の病気を治してやった。
  2. 島の人々はパウロらを尊敬して船出に必要なものを用意してくれた。

難破しても、マムシにかまれても死ななかったパウロ。
彼が使命を果たすまで、神は彼の命をなんとしても守った。
パウロがローマに行って福音を伝えることを、神は定めておられた。
だから、パウロはローマに着くまで絶対死なない。事実、神は彼を死なせなかった。船が遭難して14日間も海を漂っても、彼が毒蛇にかまれても、パウロの命は助かった。神は奇跡を起こしてパウロの命を守られた。

パウロは、寄港した町々に住む兄弟たちを教えることができた

28:11 三か月後に、私たちは、この島で冬を過ごしていた、船首にデオスクロイの飾りのある、アレキサンドリヤの船で出帆した。
28:12 シラクサに寄港して、三日間とどまり、
28:13 そこから回って、レギオンに着いた。一日たつと、南風が吹き始めたので、二日目にはポテオリに入港した。
28:14
ここで、私たちは兄弟たちに会い、勧められるままに彼らのところに七日間滞在した。こうして、私たちはローマに到着した。

28章11-14節

  1. 3か月(冬)をマルタ島で過ごした後、ローマに向けて出港した。
  2. シラクサ(3日間滞在)―レギオン(1日滞在)―ポテオリ(兄弟たちに勧められて7日間滞在)―ローマに着いた。

ローマに住む弟子たちがパウロを出迎えに来た
パウロは、大変勇気づけられた

28:15 私たちのことを聞いた兄弟たちは、ローマからアピオ・ポロとトレス・タベルネまで出迎えに来てくれた。パウロは彼らに会って、神に感謝し、勇気づけられた。

  1. ローマに住む弟子たちが、パウロが来たことを聞いて、ローマからアピオ・ポロの町とタルベネの町まで出迎えに来てくれた。
  2. パウロは兄弟たちに会って神に感謝し勇気づけられた。

パウロは自費で借りた自分だけの家に住んだ
番兵に監視されていたが、誰にでも会うことができた

28:16 私たちがローマにはいると、パウロは番兵付きで自分だけの家に住むことが許された。
28:30 こうしてパウロは満二年の間、自費で借りた家に住み、たずねて来る人たちをみな迎えて、
28:31 大胆に、少しも妨げられることなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。

  1. パウロは自費で自分の家を借りて住んだ。
    彼は、自由に外出はできなかったと思われる。
  1. 自分の所に訪ねて来る人には、誰にでも会うことがゆるされた。
  2. 訪ねて来た人たちに大胆に福音を述べ伝えた。 

ローマに到着してすぐ、ユダヤ人のおもだった人たちを呼んで
福音を伝えた、信じないユダヤ人たちに怒りを覚えた

28:23 そこで、彼らは日を定めて、さらに大ぜいでパウロの宿にやって来た。彼は朝から晩まで語り続けた。神の国のことをあかしし、また、モーセの律法と預言者たちの書によって、イエスのことについて彼らを説得しようとした。
28:24 ある人々は彼の語る事を信じたが、ある人々は信じようとしなかった。
・・イザヤ書を引用して・・
28:28ですから、承知しておいてください。神のこの救いは、異邦人に送られました。彼らは、耳を傾けるでしょう。」

  1. パウロはローマに着くと、まずユダヤ人のおもだった人を集めた。
    • 自分は刑罰当たる罪は犯していないことを知らせた。
    • ユダヤ人たちが待ち望んでいる「メシヤ」に関することで、ユダヤ人たちから訴えられていることを話した。
  2. 自たちが待ち望んでいる「メシヤ」が、イエスあったことを彼らに認めさせるために、モーセの律法と預言者のことばを引用して彼らを説得した。大ぜいの人が集まっていた。彼は朝から晩まで話続けた。
  3. パウロの熱心な説得にも関わらず、ユダヤ人たちの意見は分かれた。
    ある人々は信じ、ある人々は信じようとしなかった。24節
  4. 彼らが信じなかったのでパウロは怒った。25-28節

『「真理」について聞いても悟らない、「メシヤ」を見てもわからない人たちのことをイザヤは預言したが、それはあなたがたのことだった』。「自分は、これから異邦人に伝道する。彼らは信じて救われるでしょう」と言い放った。

パウロは、ローマで2年間、さまたげられることなく福音を語った

28:30 パウロは丸二年自分の借りた家に滞在した。彼の所にたずねて来る者を皆迎えて、
28:31 全く公然と何の妨げもなく、神の国(の福音)を説き、主イエス・キリストのことを教えた。

パウロは満2年間、自分の所に来る人たちを迎えて、大胆に少しもさまたげられることなく福音を伝え、イエス・キリストについて教えた。

使徒の働き28章 考察

考察1 神は、不利だと思われる状況をも、宣教のために用いられる。
パウロは、ローマに監視されることで、安全が守られ自由に福音を語ることができた。このときの彼の働きが、後のキリスト教会にとって非常に重要なものになった。

 パウロはローマ兵に監視され外出を禁止された。

パウロは、常にローマ兵から監視されていました。
自由に外出ができなかったと思われます。
 

このことが、ローマでの宣教にとってかえって益になった。
命の安全が守られた状況で、大胆に福音を語ることができた。

ローマの監視の下に置かれることで、かえってパウロの命の安全が守られました。迫害者が、簡単に彼に手を出すことができなくなったからです。
パウロは自費で自分の家に住み、自由に訪問者に会うことがゆるされました。政府としてはパウロに罪を認めなかったことと、彼がローマの市民であったことから、パウロは寛大な扱いを受けることができたからでしょう。

さらに、ローマ政府は宗教に関わる問題については、刑罰にあたらないと考えていたため、彼が信仰について語ることにいっさい干渉をしませんでした。

ですから、パウロにとってローマの監視下に置かれることは、かえって益になりました。
大通りで語れば、迫害者たちに命を狙われる危険があるからです。
彼は、訪問者たちに大胆に福音を語ることができました。
また、ローマにいる弟子たちを教えることができました。

ローマで監視されていた間、教会に手紙を書くことができた。
これらの手紙が、キリスト教会に与えた貢献は絶大である。

それがピリピ、エペソ、コロサイ、ピレモンです。
これらの書簡は、彼に安全と時間が与えられた時に書かれたものでした。
これらの書簡が残されたことが、クリスチャンたちが神を理解する上で非常に重要な役割を果たしています。

考察2 活動的であるだけが宣教ではない。孤独な時の働きもある。

パウロは、ローマで監視されていた間、落ち着いて神の働きを進めることができました。私たちにも、孤独な時、1人になる時にこそできる働きがあるのではないでしょうか。

私たちは、活動的に動き、人と会って話すことで伝道が進むと考えます。
しかし、時には自分の願いに反して、それができない時期があります。

そのような時、神がこの状況を自分に与えられたのではないかと、考えて見ることはできないでしょうか。もしかしたら、神は孤独な状況の中で、あなたに成させたい働きがあると考がえておられるかもしれないのです。このように視点を変えるとき、あなたは自分のなすべき使命を見出すことができるかもしれません。

考察3 まず静まって真理を知る。それから伝える。
聞く人が気を悪くすることを気にせず大胆に真理を語る。
これが、パウロがした宣教の方法だった。

福音を伝えることが、私たちの使命。

イエスは昇天される前、弟子たちに「全世界に出て行って福音を述べ伝えよ」と命令されました。
ですから私たちの使命は、「福音」を1人でも多くの人に知らせることです。

私たちは、正しい福音を伝えなければならない。

そのときに注意したいことは、私たちは正しい福音がを伝えなければないと言うことです。
もし、「間違った福音」であったなら、伝えた人は神にのろわれると聖書に書かれています。また、間違った福音を聞いて信じた人たちの罪はゆるされず、彼らは救われない、天国に入れないことになります。

ですから伝道する人は、福音を知ることがまず第一に重要です。
そうでなければ、正しい福音を伝えることができないからです。
そのためには、1人の時間を持ち、聖書を学び、神が語られたことは何か、何を伝えなければならないかを知らなければなりません。

伝道者が第一にするべきことは、神を正しく知ること。
その上で、出て行って伝える。この順番を間違えてはいけない。

私たちは、活発に動き回ることが宣教を進めると考えます。
しかし福音宣教にとって、第一に重要なことは、伝道者が正しく神を知ること、信仰について十分に思索することです。

その上で、出て行って「正しい福音=人が救われることができる福音」を、反対者を恐れずに、大胆にあますところなく語ることです。
このことが、パウロがした宣教であり、私たちが成すべき宣教だと考えます。 

考察4 「真理を語る」「証拠を示して説得する」ことが、パウロの宣教。未信者と良い関係をつくることは良い。けれども真理を語らないなら、ただの友達づくりでしかない。真理を知らせることが伝道。

パウロの伝道は、人々にイエスがメシヤであることを説得することだった。

パウロの伝道は、イエスが「メシヤ」であることを証明することでした。
そのために、イエスが復活された事実を知らせ、預言たちが「メシヤ」について語ったことがイエスによって成就したことを知らせました。

私たちの伝道もパウロにならうものでなければなりません。
なぜなら、パウロは神から直接教えられた使徒でしたので、パウロの伝道方法こそ、神が良しとされる伝道だと言えるからです。

仲良くなって、かえって語れなくなるとか、水増しの福音を語るしかなくなることがある。

宣教には、まず良い人間関係が必要だと言われます。
そのために、未信者と一緒に楽しい時を過ごす企画がなされます。
しかし仲良くなったために、かえって「信仰」について語れなくなったり、全く語らなくなってしまっているケースを良く見かけます。
もし、福音が語られず、クリスチャンの愛を示すだけなら、それはただの友達作りです。宣教ではありません。そのような働きから、救われる人は起こされません。それらは、聖書が語る「空を打つような健闘」と言えるでしょう。

真実を語る伝道をしていきたいものです。

パウロは、真理を伝える前に、彼らと友達になろうとはしていません。
パウロの話を聞いて信じた人たちが、彼にとって肉親よりも親しい兄弟姉妹になったのです。

私は、未信者と信頼関係を作ることが悪いと言っているのではありません。
ただ、彼らとの良い関係を重視するあまり、福音を薄めたり、変えたりして伝えてほしくないと言っているのです。
神のことを伝えるなら、神から与えられた正しい福音を、パウロのように大胆に語ることが私たちの使命です。それが、「空を打つような健闘をしない」ということだと思います。

考察5 ローマから迎えに来た信者たちを見て、パウロは勇気づけられた。自分が伝えた信仰の実を見るとき、宣教者は大いにはげまされる。

ローマにいる信者たちに会って、パウロは大いに勇気づけられた。


ローマにも信者たちがいました。パウロは彼らに会ったことはありませんでした。しかし、彼らについてうわさで聞き、彼らにあてて手紙を書いています。それが「ローマ人への手紙」です。その手紙の中で、パウロはこの信仰についての全体像を彼らに教えています

その彼らが、ローマから南下してパウロを迎えに来てくれました。
このことで、パウロは神に感謝しはげまされたと聖書に書かれています。

思いがけないところで、働きが実を結んでいることを知ることは、宣教者にとって大きな喜び。

エルサレムから遠いローマの地で、自分が直接関わっていない人たちが、信者とされ、パウロが伝えた福音を理解し、パウロに大いに感謝しているのです。
彼らは、パウロがローマに入ってしまうと、会う機会を逃すかもしれないと思ったのかもしれません。とにかく彼らはパウロに一刻も早く会いたかったのです。

自分が思いもしなかったところで、自分の働きが実を結んでいることを知る時、真の信者たちとの交流が、信仰の戦いで疲れた宣教者を大いにはげましてくれます。明日の戦いに向かう力を与えてくれます。

私たちが伝えたことが、思いがけないところで実を結ぶこともある。
信者が起こされなくても、福音の種を蒔き続けよう。

私たちも、日々苦闘しながら伝道をしています。伝えても信じる人が起こされない現実に落胆することがあります。しかし、私たちが伝道した人たちが、私たちの知らないところでクリスチャンになっているかもしれません。天国に彼らがいて、私たちと再会を喜ぶことになるかもしれません。
ですから、今働きの実を見ることができなくても、与えられた場で福音の種を蒔き続けていきたいと思います。

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今から約2000年前、キリストは預言されていた通り、死んで3日後に復活し、ご自身が神であることを証明されました。神がおられるのですから、その方を無視して生きることは、神があなたを造られた目的を知らずに生きることを意味します。どうか、神を知り、神に生かされる確かな人生を歩んでください。そのために、聖書を学び、神について、自分について、知ることを始めませんか?