要約
シェバの女王が、イスラエル神に関連したソロモンの繁栄と知恵のうわさを聞いた。
そして、ソロモンに会いに来た。彼に難問を質問して答えられるか見ようとした。
しかし、ソロモンの知恵と神の与えた祝福を見て、女王は驚嘆する。
「実は、私は自分で来て、自分の目で見るまでは、そのことを信じなかったのですが、
驚いたことに、私にはその半分も知らされていなかったのです。
あなたの知恵と繁栄は、私が聞いていたうわさよりはるかにまさっています。」7節
そして、イスラエルの神を信じるようになる。
「あなたを喜ばれ、イスラエルの王座にあなたを着かせられたあなたの神、
主はほむべきかな。主はイスラエルをとこしえに愛しておられるので、
あなたを王とし、公正と正義とを行わせるのです。」9節
女王がソロモンに望んだものは何か?
「ソロモン王は、女王の豊かさに相応の贈り物をしたが、
それ以外にも、彼女が求めた物はなんでもその望みのままに与えた。
彼女は、家来たちを連れて、自分の国へ戻って行った。」13節
それ以外のものとは何だろう?金銀財宝や高価な品々以外のものとは何か?
ソロモンの子供を産みたいと願ったのではないか?
女王の訪問の目的は、イスラエルの神を知ることであった。
ソロモンの知恵と国の繁栄を見、彼と会って話した女王が、
ソロモンに対して尊敬と愛の感情を持つことは十分あり得る。
ソロモンは若く、ハンサムであったはずである。
(ダビデとバテシェバの子、美男美女の間にできた子)
自分は国に帰らなければならない。そこで、イスラエルから遠く離れていても、
ソロモンに帰属する何か(彼の子)を持って帰りたいと彼女が求めたとしても不思議ではない。
そして、ソロモンは外国人の女性を好んで関係をもった人である。
女王が願えば、ソロモンは彼女の願いをかなえたであろうと思われる。
女王も若かったと思われる。遠くアフリカの地からうわさを聞いて自分の目で確かめに来る好奇心と行動力、
他国の神の素晴らしさを認める柔軟性を見るとき、女王は若く行動力あふれる利発な女性であったと思われる。
シェバの国は、今のエチオピアである。
新約聖書には、イザヤ書を読んでいたエチオピアの宦官に
ピリポが解き明かしをして、宦官がその場で洗礼を受けた記事がある。
今も、エチオピアの60%近くの国民はキリスト教を信仰している。
シェバの女王が信仰を自分の国に持ち帰り広めたことは確かである。
そして、エチオピアの起源については、紀元前10世紀頃、
ソロモン王とシバの女王の間に生まれたメネリク1世の建国によって、
国が誕生したという伝承が残されている。
私の推測は、まんざらウソではないかもしれない。
シェバの女王のことから教えられたこと
神のうわさを聞き、自分で確かめる人は、神を見いだす。
はじめ女王はイスラエルの神のうわさを疑った。
しかし、彼女が違ったところは、自分で確かめようとしたところ。
遠いアフリカからはるばるソロモンに会いに来た。自分の目で見て確かめようとした。
このような人は、確信を持った時に、他人の意見に左右されない。
その確信に基づいて、大胆に生き方を変えることができる。
シェバには、伝統宗教があったはずである。彼女もその神を拝んでいたであろう。
しかし、女王はイスラエルの神に改心した。ソロモンは神の奥義を伝えたはずなので、
彼女は偶像から離れたのではないかと思う。
私たちも同様である。シェバの女王のように、キリストのことを聞いたなら、
自分で本当かどうか確かめてほしい。
シェバの女王がソロモンに質問したように、あらゆる疑問をキリストに投げかけて、
この信仰がどのように答えるのかを知ってほしい。
その上で、もし「この神こそ自分が拝むべき神であった」と確信したならば、
誰の反対があったとしても、この信仰を貫いてほしい。