要約
レビ族でない者を祭司に任命したころ、ヤロブアムの子アビヤが病気になった。そこで、ヤロブアムは妻を変装させて、預言者アヒヤのもとに送り、子供がどうなるか聞かせた。アビヤは言った。「子供は死ぬ。しかし彼は墓に入れられるから幸いだ。ヤロブアムの一族は滅ぼされる。彼らの死体は町や野にされしものにされ、犬や鳥が死体を食べるだろう」と預言した。
教えられたこと
- ヤロブアムは神の命令を守っていないことを自覚していた。
そして、彼が造った神(金の子牛)には神の力がないことを知っていた。だから、彼はイスラエルの預言者に聞こうとした。しかし、自分が彼の言葉に反して行っていた為、彼に直接会うことはためらわれた。それで妻をアヒヤのもとへ送った。 - 自分がひどく神を怒らせていることに気がついていなかった。
今、王国が安泰だから自分への刑罰はないと、神の怒りを軽く見た。彼は子供の病気が治るかどうかだけを心配している。自分に神の怒りが下ることについては、一切心配していない。この時、彼の治政は安定していた。だから、このままで大丈夫だと安心していた。神は自分の罪を見過ごしてくださると。
- 神はそのことが起こる何十年前に預言を与える。
人々が忘れかけた頃、預言がはずれたと思われた時に、預言を成就される。子供が、命にかかわる重病になった。これはすべて神から発したこと。
神は子供の病気を、ヤロブアムにご自身の怒りを知らせ、彼ら一族の滅亡を預言するために用いられた。子供の死は、ヤロブアム一族の滅亡の始まりである。これ以後もっと悲惨な死を一族は経験する。彼が王として君臨し、王国が安定している時に、神は彼に前もって告げられた。これが神の方法である。この預言は、ヤロブアムの22年の治政の間には実現しなかった。しかし、彼の死後、神の言葉の通りなったことを私たちは知っている。
偶像に頼むようになったレハブアム
彼の母の名は「ナアマ」と言いアモン人であった。
この言葉が聖書に3回も出てくる。(1列王14:21 / 1列王14:31/ 2歴代12:13)
レハブアムは神のおきてを守らず、偶像礼拝をした。高き所を築き、石の柱やアシュラ像を立てた。神殿男娼もいた。これらの、宗教的な堕落は、おそらく母の影響力、 母の助言によって成されたのかもしれない。「イスラエルの神はあなたを守らない。見よ。王国は分断され、あなたには1つの部族しか与えられていない。他の神々に頼みなさい。そうすれば、王国は繁栄する。」などなど
ダビデの罪を神が完全に忘れておられる(1列王14:8)
「ダビデは、わたしの命令を守り、心を尽くしてわたしに従い、ただ、わたしの目にかなったことだけを行った」1列王14章8節
バテシェバとの姦淫、彼女の夫を殺したこと、彼が再び罪を犯して、神罰が下り、疫病で7万人が死んだこと、これらのことは神の記憶から完全に消し去られている。ダビデの罪が完全に赦されている証拠である。律法を守ることによっては誰も救われない。私たちは律法を守り切れない。必ず違反する。だからといって、自分の罪を完璧になだめるための犠牲も払うことができない。
ダビデが神に赦されているのは、彼の神への信仰ゆえである。
これは新約時代にも共通するものである。
旧約時代には、キリストはまだ到来しておられない。
しかし旧約時代も新約時代と同じように、
神に対する信仰によって、死後に罪を完全に赦され天国に入れられた。
新約との違いは、いつ義とされるかである。旧約時代は、死後に義とされ天国に入る。
信者は、死ぬまで自分の救いについて確信を持つことはできなかった。
しかし、新約時代は、信じた時に神に義とみなされる。
義とされた確信を持ちつつ、地上での命を生きる特権が与えられている。