第1列王記2章「ソロモンの王位が確立するまで」

要約

ソロモンへの遺言
1つ目は、主のおきてを守ること。
2つ目は、ヨアブを殺すこと。
ダビデは、彼に会いに来て、王位を移すことを約束したネルの子アブネルをその帰り道に殺したことを赦していなかった。また、ビクリの子シェバが謀反を起こした時、兵を招集しに行ったエテルの子アマサをよく調べもしないで、帰りの期限に間に合わなかっただけの理由で彼を疑い、剣で刺し通し、路上にさらしものにしたことを覚えていた。
3つ目は、ギルアデ人バルジライに良くしてやること。
彼らは、ダビデがアブシャロムから逃げた時、駆けつけ共に戦ってくれた。
4つ目は、ゲラの子シムイを殺すこと。
アブシャロムから逃げる時、ダビデをのろった男。
ダビデが勝利した後、ヨルダン川を渡る時にあいさつに来た。
その時、ダビデは「殺さない」と約束していたが、
ソロモンが王になった今、彼を生かしておいてはいけない。

ソロモンが実行したこと
○ダビデの次男アドニヤが再び王位をねらう。王を最後に世話したシュネム人の女
アビシャグを妻にもらいたいと願った。それを聞いたソロモンは彼を殺す。
○祭司エブヤタルを解任する。エリの家系の祭司が絶たれた。
エブヤタルはアドニヤに味方していたため。
○ヨアブの殺害
これらの出来事を聞いて、神殿に逃げ込み、祭壇の角をつかんだ彼を殺す。
○シムイの死
エルサレムに家を建てさせ住まわせる。「ギデロン川を渡ったら殺す」と約束する。
3年後、逃げた奴隷を探して帰ってきた彼を殺す。父ダビデからの因縁があるが、
ソロモンとシムイの間の約束を破ったという理由を作って彼を殺した。

 

考えたこと

ダビデの家には血の争いが絶えなかった。
これはすべて、バテシャバとの罪の刈り取りであった。
このことは、予言者ナタンによってダビデに告げられていた。
兄弟たちは、王がソロモンを選んでおられることを知っていたのであろう。
だから、長男アブシャロムや次男アドニヤは王になるためには、父に反逆しかなかったのである。

それにしても、なぜダビデはソロモンを寵愛して王位を継がそうと決めていたのか。
バテシャエバを特別に愛していたから、彼女の願いを聞き入れたのか。
自分のせいで夫を取り上げられ、第1子を亡くした彼女に、特別な憐れみを感じていたのか。
ただ言えることは、ソロモンが神に愛されていたことである。
このことは、神が彼の罪をゆるしておられたことを意味する。(これは新約の型である)

しかし、後の時代からイスラエルの歴史を見るとき、王となったソロモンは初めのうち忠実に
神に従ったが、後半生は多くの外国人のそばめを抱え、偶像礼拝までするようになる。
神から、何度か忠告を受けるが彼は聞き入れなかった。その結果、神の祝福は絶たれ、
イスラエルは分裂し、最後は他国の攻撃により消滅する。

ダビデのゆえに、彼の罪にもかかわらずイスラエルは繁栄した。
神は、イスラエルに絶頂の時期を作られた。しかし、イスラエル王国の破滅がなければ、
ユダヤ人たちがメシヤを待ち望むこともなく、イエスが出現する舞台が整わない。
神は、イスラエルの絶頂の時期に、次のシナリオむけて、
ソロモンの心の内に破滅への種を置かれていたのである。

神のご計画と知恵は私たちには到底理解できない。あまりにも高く深い。
神は全てのことを働かせて、ご自身の計画を成就なさる。神は偉大だ。

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