第2列王記14章、第2歴代25章「ユダの王アマツヤの不信仰と破滅、悪王ヤロブアムに与えられた祝福。ここにキリストが与える恵みの型を見る。」

要約

アマツヤの心は全きものではなかった。最初は良かったが、後にかたくなになり、神の助言を聞かなくなった。そのために身に破滅をも依然として偶像を拝み、主の目に悪を行っていたイスラエルであったが、主はその苦悩が激しいことを見て、彼らをあわれまれた。ヤロブアムによって領土を回復させ、国に繁栄と平和をもたらした。悪を行う者にさえ与えられる神の愛を見た。

観察

観察1、父を殺した家来たちを撃ち殺したが、律法に従って、その子たちは殺さなかった。
彼は、律法にしたがって行った。ダビデのようではなかったが、父ヨシュアの行ったとおりを行った。しかし、民は高き所でいけにえをささげ香をたいていた。(2列王13:3、2歴代25:2)

観察2、アマツヤはエドム人1万人を打って、セラを取った。(2列王14:7、2歴代25:5~12)

  • 兵を招集して、精鋭30万人を得た。
  • エフライムから10万人の兵を雇った。そのために銀100タラントを支払った。

このことが神の意に反した。神は人を送って「兵を帰すように」アマツヤを戒めた。
アマツヤは、それに対して「支払った銀100タラントはどうなるのか」とたずねた。
「主はそれよりも多くのものをあなたに与えることがおできになります」主はアマツヤに約束する。
その通り、ユダの兵だけで出陣して、大勝利を得た。

観察3、エドムを征服して後、彼らの神を持ち帰り拝んだ。(2歴代25:14~16)

  • このことで、神の怒りがアマツヤに向かって燃え上がった。
    主は預言者を遣わせて言わせた。「なぜ、あなたは、あなたの手からその民を救い出すこともできないような神々を求めたのか。」
    しかし、アマツヤは忠告した預言者(王の議官)の命を脅し、聞き入れなかった。そこで、預言者は「主があなたを滅ぼそうとしていることがわかった。あなたが、私の勧めを聞かなかったからです」と答えた。

観察4、イスラエルの王ヨアシュと戦った。
これは主の御心を伺わず、自分で始めた戦いであった。そして彼は大敗する。(2列王14:8~14)(2歴代25:17~24)

  • アマツヤは預言者の言葉を聞き入れなかった。
  • アマツヤの心をかたくなにしたのは、神であった。彼がエドムの神々を求めたからであった。彼を敵の手にわたすためであった。
  • 神のご計画通り、彼は大敗する。
    エルサレムの城壁が、400キュピトに渡って破壊される。
    神の宮、王宮にあった金銀、宝物と宮の器具、そして人質をサマリヤに持ち去られた。

観察5、彼は信仰を捨てた時に、民に殺された。(2歴代25:27)

  • 彼が主から離れた時、人々がむほんを起こし、彼は殺された。

観察6、イスラエルの王ヤロブアムの治政は長く、国は繁栄した。(2列王14:23~28)

  • イスラエルは依然として偶像を拝み、主の目に悪を行っていた。
  • しかし、ヤロブアムは、レボ・ハマテからアラバの海までの領地を回復した。
  • これは、主がイスラエルの苦しみが激しいことを見て、あわれに思われたから。
    このとき、イスラエルを消滅させることは主のご計画ではなかったからであった。それで、悪い王であったが、主は彼によって領土を回復させた。

適応

適応1、私たちが御心に反する時、神は人を送り、状況に働きかけて、私たちが誤りに気づくようにされる。
アマツヤが神の意に反することを行った時、つまり、エドムの神々を拝み、ヨアシュ王と戦おうとしたとき、神は、その都度預言者を遣わして、彼に止めるように忠告を与えています。
 

私たちも、神の御心に反する決断をし、行動を起こす時、神は私たちを止めようとなさいます。友人、知人の言葉を通して、私たちに気づきを与えるようにされます。また、私たちの状況に働かれて、私たちがやろうとしていることがうまくいかないようにされます。

このような時、私たちは「祈りが足りないのだ」とか「もっと信仰が必要だ」とか考えます。そして、力づくで、自分の計画を成そうとします。しかし、このような時こそ、「自分は主の御心を見失っていないか」と自己を吟味し、主の御声に耳を傾ける必要があります。そして、御心がわかれば、自分が立てた計画を変更できる従順さが必要です。
適応2、主は忍耐強い。私たちが何度主を怒らせても、主は支えてくれる。しかし、それに甘えて罪を繰り返すなら、主の忍耐が切れる時が来る。だからその前に悔い改めよう。
アマツヤは何度も主をいからせました。主が預言者を遣わして忠告しましたが、彼は聞き入れませんでした。そして、自分が得だと考えることを実行しました。そのような彼に対して、主の忍耐が切れる時が来ました。神が彼の心をかたくなにして、神に聞き従わないようにされたのです。そして、彼が主の御心に反して、イスラエルと戦うように仕向けられたのです。主によって破滅に定められることほど、恐ろしいことはありません。これは、私たちへの教訓です。
適応3、失意の時こそ、神への信仰を回復させる時。アマツヤのように信仰を捨てる者になってはいけない。
イスラエルとの戦いに大敗し、財産を失ったアマツヤの失意は相当なものであったと思われます。しかし、彼は神に立ち帰ることはありませんでした。かえってイスラエルの神への信仰を捨てたのです。ここに至って彼の堕落は究極に達しました。その時、彼は民のむほんによって殺されました。 

失意の時こそ、神に立ち返る時です。悔い改めて、もう一度歩き直す時です。私たちは、アマツヤのように信仰を捨ててはいけません。

 

ヤロブアムの治世の時、神がイスラエルをあわれみ、国を繁栄させたことから考える。

「主がイスラエルの悩みが非常に激しいのを見られたからである。そこには、奴隷も自由の者もいなくなり、イスラエルを助ける者もいなかった。主はイスラエルの名を天から消し去ろうとは言っておられなかった。それで、ヨシュアの子ヤロブアムによって彼らを救われたのである。」(2列王14:26,27)
イスラエルの民は主の目に悪を行っていました。しかし、彼らの苦しみが激しいことを主は見られて、彼らをあわれまれました。ヤロブアムの治世は41年間で、イスラエルの王の中では非常に長いです。神はヤロブアムの治世を長く保ち、彼によって敵を撃退して、国に繁栄と平和をもたらされました。これは、民が正しかったからではありません。ただ主が彼らをかわいそうに思われて、助けられたからでした。

ここに、価しない者に与えられる神の恵みの型を見ることができます。
キリストによって、私たち価しない者に、神の絶大な恵みが与えられたのと同様です。
旧約の神は、新約の神と同じ神です。ここにキリストによって与えられる恵みの型が記されています。

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今から約2000年前、キリストは預言されていた通り、死んで3日後に復活し、ご自身が神であることを証明されました。神がおられるのですから、その方を無視して生きることは、神があなたを造られた目的を知らずに生きることを意味します。どうか、神を知り、神に生かされる確かな人生を歩んでください。そのために、聖書を学び、神について、自分について、知ることを始めませんか?