キリスト教綱要2篇10章「古い契約と新しい契約の類似」

旧約の聖徒たちも天国をあこがれ求めていた
彼らの苦難に満ちた人生がそれを証明している

旧約の聖徒たちは天国を求めていた。彼らの生涯は苦難の多いものであった。
それは、彼らがこの世ではなく、天にさらによい生活があることを認めていたからであった。

  1. 苦難に満ちたアブラハムの生涯
    彼は、神の命令を受けて故郷を出て見知らぬ土地に行かねばならなかった。両親や友人たちから離れなければならなかった。ひきはなされた。神が彼に与えると約束した地に住んだが、飢饉があってエジプトに逃れた。逃れた先で、王に妻を与えて、自分の身の安全をはからなければならなくなるような危機に会った。神の約束はなかなか実現せず、彼には老年いなっても子ができなかった。奴隷との間に生まれたイシュマエルが家庭の紛争の原因となった。イサクが生まれたが、犠牲として捧げるように神に命じられた。神はイサクを殺さなかったが・・
  2. イサクの場合
    イサクは不幸な目にあうことが父よりも少なかった。それでも彼は楽しみをも、ほとんど味わったことがなかった。彼も父と同様、多くの困難を経験した。飢餓がかれをカナンの地から追いやった。隣人たちは繰りかえしかれをなやまし、あらゆる方法で彼を悩ました。彼らはイサクが掘り当てた井戸を何度も奪った。家においても、息子エサウの嫁たちによって非常にわずらわされた。
  3. ダビデの告白
    ダビデも苦難の多い人生を歩んだ。サウル王に命を狙われた。彼は長い間、荒野を逃げ回らなければならなかった。王になってからも、息子アブシャロムが彼に戦いを挑み、窮地に陥った。
    ダビデはこの世は彼の本来いるべきところではないこと、人生はむなしいことを告白している。私たちは、すべての父祖たちのように、あなたの前では異国人であり、居留している者です。地上での私たちの日々は影のようなもので、望みもありません。第1歴代29:15 
  4. 信仰の父祖たちが求めていたのは、天国であった。

    人の日は、草のよう。野の花のように咲く。風がそこを過ぎると、それは、もはやない。その場所すら、それを、知らない。しかし、主の恵みは、とこしえから、とこしえまで、主を恐れる者の上にある。主の義はその子らの子に及び、主の契約を守る者、その戒めを心に留めて、行なう者に及ぶ。詩編103:15-18

    これらのものは滅びるでしょう。しかし、あなたはながらえられます。すべてのものは衣のようにすり切れます。あなたが着物のように取り替えられると、それ らは変わってしまいます。しかし、あなたは変わることがなく、あなたの年は尽きることがありません。あなたのしもべらの子孫は住みつき、彼らのすえは、あなたの前に堅く立てられましょう。」詩編102:26-28

    これらの人々はみな、信仰の人々として死にました。約束のものを手に入れることはありませんでしたが、はるかにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり寄 留者であることを告白していたのです。彼らはこのように言うことによって、自分の故郷を求めていることを示しています。もし、出て来た故郷のことを思っていたのであれば、帰る機会はあったでしょう。しかし、事実、彼らは、さらにすぐれた故郷、すなわち天の故郷にあこがれていたのです。それゆえ、神は彼らの神と呼ばれることを恥となさいませんでした。 事実、神は彼らのために都を用意しておられました。へブル書11:13-16

信者が苦しみ、信仰のない者が繁栄するのを見るとき、
信者は、神の真実を疑う試練を受ける。

神は、しばしば不敬虔な者を繁栄させ、信仰者を不幸のうちに捨ておかれる。
のことは信仰者にとって大きな試練である。

  1. ダビデは、あの世にまで思いを引き上げたとき、この不条理の意味を理解した。
    1. 主をあなどる者たちは悪を行っても栄えていた。そのため彼らはますます神はいないと傲慢になっていた。
      それは、私が誇り高ぶる者をねたみ、悪者の栄えるのを見たからである。 彼らの死には、苦痛がなく、彼らのからだは、あぶらぎっているからだ。人々が苦労するとき、彼らはそうではなく、ほかの人のようには打たれない。詩編73:3-5
    2. しかし、私が神の審判にまで思いを引き上げた時、私は悟った。神などいないと、彼らが馬鹿にしていた神によって彼らは裁かれるからだ。
      神をあなどって行った不正や悪のすべてが、天で覚えられていて裁かれる。その時には、彼らが不正で得た富は、彼らの刑罰を軽くするためにいっさい役に立たない。彼らは永遠の滅びに突き落とされるのだとダビデは悟った。

      私は、これを知ろうと思い巡らしたが、それは、私の目には、苦役であった。
      私は、神の聖所にはいり、ついに、彼らの最後を悟った。
      まことに、あなたは彼らをすべりやすい所に置き、彼らを滅びに突き落とされます。
      まことに、彼らは、またたくまに滅ぼされ、突然の恐怖で滅ぼし尽くされましょう。
      詩編73:16-19

父祖たちも最後の審判を確信していた

  1. 旧約の父祖たちは、神の審判の日に不敬虔な者はさばかれると確信していた。
    神の審判の日に、神の約束が実現されること悟った。その日に不敬虔な者はさばかれ、敬虔な者は幸いを得ることを疑わなかった。
  2. 死後に永遠の世界があり、聖徒は天国で慰められることを信じていた。
    永遠の世界へと目を向け変えた時、神が義人に幸いを用意していることを確信した。神の約束はうそではない。

    しかし、神よ。あなたは彼らを、滅びの穴に落とされましょう。血を流す者と欺く者どもは、おのれの日数の半ばも生きながらえないでしょう。
    けれども、私 は、あなたに拠り頼みます。詩編55:23
  3. 信じない者は、永遠の刑罰を受け、信じた者は天国を相続すると知っていた。
    神を信じない者はお金に頼る。自分の財産や名誉がいつまでも残ると考える。しかし、彼らは死んで滅びる。よみが彼らのすみかとなる。ダビデは死後、神の審判があること、神の国があることを信じていた。信じない者たちが滅び、信じる者たちが天国を継ぐことを確信していた。

古い契約は、この世の物質的祝福だけでなく、
天国を相続する霊的祝福をも含んでいた。

  1. 古い契約は、霊的なことがらをも含んでいた。
    神がイスラエルと交わした約束=旧約の約束は地上のことがらに関してのみではない。それは、霊的なことをも含んでいた。
  2. キリストは、旧約時代の聖徒たちの罪のためにも、あがないをした。
    キリストは、新約時代の信仰者のため、また旧約時代の信仰者たちのためにも死んだ。旧約の聖徒たちも御霊を受けて更新させられていたと、ペテロは証言している。
  3. ユダヤ人たちには、この知識が隠されている。彼らは地上にイスラエル王国を再建する強力な指導者であるメシヤをいまだに待ち望んでいる。
    ユダヤ人たちは、地上にイスラエル王国を実現する強力な指導者メシヤの出現を待ち望んでいる。彼らはモーセ書を繰りかえし学ぶが悟らない。彼らがキリストに向くまでは、彼らの顔におおいがかけられており、彼らは誰がメシヤなのかわからない。
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