エズラ記2-10章「困難を極めた神殿の建築と完成、エズラは民を教える」

バビロンから帰還した民は、神殿建築にとりかかった

  1. バビロンから帰還したユダヤ人は、律法にしたがって、主に全焼のいけにえをささげ、祭りを行った。3:1-5
  2. 20歳以上のレビ人が工事を行った。ヨシュアとその子、兄弟たち、およびカデミエルとその子たちが工事の指揮をした。エズラ3:9
  3. 主の神殿の基礎を築いた。人々の喜びと悲しみの声が入り乱れ、遠くまで響いた。3:13
    1. 以前の神殿を知らない人々は、大喜びで叫んだ。3:11
    2. 最初の神殿を見たことのある多くの老人たちは大声をあげて泣いた。3:12

アッシリヤからユダに移住した人たちが、建築に参加したいと申し出た。
しかしユダヤ人は断った。工事は妨害され中止された。

  1. アッシリヤから来てユダに住んでいた人々が、一緒に神殿を建てたいと申し出た。4:1,2
    ユダに来た人々は、彼らがユダの地に住んだ時、獅子が彼らを襲った。主からの災いを避けるために、彼らは捕囚の地から祭司を呼び、主へのいけにえの捧げ方を学んで実践した。そして、移住してからずっと、主にいけにえを捧げ続けてきた。だから彼らは、神殿の建築に関わること、そして出来上がった神殿で自分たちが礼拝することは当然のことであると考えた。ところが、バビロンから帰還したユダヤ人たちはそうは考えていなかった。
  2. ユダのリーダーたちは、彼らの申し出をきっぱりと断った。
    私たちは、クロス王の命令どおり、自分たちだけでイスラエルの神のための宮を建てるつもりだ。4:3
  3. その地の住民は怒り、神殿を建てさせまいとユダヤ人をおどした。4:4
    「このことはペルシャのクロス王の時代からペルシャのダリオス王の治世まで続いた。」4:5

    1. 反対者たちは、ペルシャのアルシャスタ王に手紙を送った。
      「エルサレムに来た住民は反抗的で、神殿が建築されれば、税を治めなくなるだろう。ペルシャの領土も失うだろう。」と書き送った。4:6-17
    2. 手紙を読み記録を調べたアルシャスタ王は神殿の工事を中止させた。4:17-24

       私は命令を下し、調べさせたところ、その町は昔から王たちに対して謀反を企て、その町で暴動と反逆が行なわれたことがわかった。またエルサレムにはかつて勢力のある王たちがいて、川向こうの地を全部支配し、みつぎ、関税、税金が彼らに納められていたこともわかった。 今、あなたがたは命令を下して、その者たちの働くのをやめさせ、私が再び命令を下すまで、この町が再建されないようにせよ。

預言が降った。ユダヤ人は神殿建築を再開した

  1. 預言者ハガイとイドの子ゼカリヤが預言し

    ダリヨス王の第二年の第六の月の一日に、預言者ハガイを通して、シェアルティエルの子、ユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子、大祭司ヨシュアとに、 次のような主のことばがあった。
     「万軍の主はこう仰せられる。この民は、主の宮を建てる時はまだ来ない、と言っている。」
    ついで預言者ハガイを通して、次のような主のことばがあった。
    「この宮が廃墟となっているのに、あなたがただけが板張りの家に住むべき時であろうか。・・・
    万軍の主はこう仰せられる。あなたがたの現状をよく考えよ。山に登り、木を運んで来て、宮を建てよ。そうすれば、わたしはそれを喜び、わたしの栄光を現わそう。主は仰せられる。ハガイ1:1-13

    「ゼルバベルの手が、この宮の礎を据えた。彼の手が、それを完成する。このとき、あなたは、万軍の主が私をあなたがたに遣わされたことを知ろう。ゼカリヤ4:9

    さて、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤの、ふたりの預言者は、ユダとエルサレムにいるユダヤ人に、彼らとともにおられるイスラエルの神の名によって預言し た。5:1

  2. 民は立ち上がり、神の宮を建て始めた。預言者たちも彼らとともにあって助けた。
    そこで、シェアルティエルの子ゼルバベルと、エホツァダクの子ヨシュアは立ち上がり、エルサレムにある神の宮を建て始めた。神の預言者たちも彼らといっ しょにいて、彼らを助けた。5:2
  3. 川向こうの総督タテナイとシュタル・ボズナイおよび知事たちはダリヨス王に書状を送った。
    1. 彼らは、クロス王の命令によって建てていると主張している。総督シェシュバツァルは王の命令を受けて、神の宮の器具をバビロンからエルサレムに持ってきたのだ。5:9-16
    2. バビロンにある宝物蔵を調べ、クロス王の命令が書かれた書状があるか探してほしいと彼らは言っている。5:17

ダリヨス王はクロス王の命令が書かれた巻物を見つけた。
そして、神殿の再建を命令した

  1. 王の収益から工事の費用を出すように。その金がユダヤ人に渡るようにせよ。6:8
  2. イスラエルの神にささげる動物や穀物のいけにえを祭司たちの求めに応じて毎日与えよ。
    そして、彼らが王と王子たちの長寿を祈るようにせよ。6:9,10
  3. この命令を破るものは殺される。6:11,12
  4. 総督たちは王の命令を守った。

神の宮はダリヨス王の治世6年目アダルの月の3日に完成した
人々は神殿で、主の祭りを祝った

  1. イスラエル人たちは神の宮の奉献式を喜んで祝った。6:16
    牛200頭、雄羊200頭、子羊400頭、イスラエル部族の数に従い雄やぎ12頭をささげた。
  2. 第1の月の14日に過ぎ越しのいけにえをささげた。6:19
    7日間種を入れないパンの祭りを守った。6:22
    捕囚から帰ったイスラエル人とこの地に住んでいたユダヤ人や異邦人で、イスラエルの神を求めてこの国の神と縁を絶ったすべての人たちが祝った。6:21

アルシャスタ王は、律法学者エズラをエルサレムに遣わした。

  1. エズラは王に寵愛されていた。彼はモーセの律法に詳しい学者であった.
    彼の神、主の御手が彼の上にあったので、王は彼の願いをみなかなえた。7:6
  2. 神殿にささげものをして、王のために祈らせるため、律法に従ってイスラエルの地を統治するために、
    エズラをエルサレムに遣わした。7:14-16

    1. イスラエル人、その祭司、レビ人で、行きたい者はエルサレムに帰ってよい。7:13
    2. エズラたちが神の宮での礼拝のために必要なものは何でも与えるように。7:21-26
    3. エズラよ。イスラエルの民に律法を教えよ。律法に従ってさばきをするように。7:25
  3. これらは、すべて主から出たことであったとエズラは告白した。私たちの父祖の神、主はほむべきかな。主はエルサレムにある主の宮に栄光を与えるために、このようなことを王の心に起こさせ、 王と、その議官と、すべての王の有力な首長の好意を私に得させてくださった。私の神、主の御手が私の上にあったので、私は奮い立って、私といっしょに上る イスラエル人のかしらたちを集めることができた。7:27,28
  4. エズラたちは、ペルシャの護衛なしで、祭司長たちに宝物を守らせて旅をした。
    1. ペルシャの兵の助けを求めなかった。主が彼らを守ってくださるという信仰があった。

       私は道中の敵から私たちを助ける部隊と騎兵たちを王に求めるのを恥じたからである。私たちは、かつて王に、「私たちの神の御手は、神を尋ね求めるすべての 者の上に幸いを下し、その力と怒りとは、神を捨てるすべての者の上に下る。」と言っていたからである。8:22

    2. 主の助けを求めるために、出発前、断食をして主に祈った。

      そこで、私はその所、アハワ川のほとりで断食を布告した。それは、私たちの神の前でへりくだり、私たちのために、私たちの子どもたちと、私たちのすべての 持ち物のために、道中の無事を神に願い求めるためであった。8:21

  5. 主は彼らの信仰に答えて道中を守られた。彼らは無事エルサレムに到着した。 私たちはエルサレムに行こうと、第一の月の十二日にアハワ川を出発した。私たちの神の御手が私たちの上にあって、その道中、敵の手、待ち伏せする者の手か ら、私たちを救い出してくださった。8:31
  6. 捕囚から帰ってきた人々は、イスラエルの神に全焼のいけにえをささげた。8:35
  7. エズラは、総督たちにアルシャスタ王からの命令書を渡した。彼らはイスラエルの民を援助した。8:36
    総督たちは、王の命令どおり、イスラエルの民と神の宮
    のために援助した。

エズラは、まずイスラエルの雑婚の問題を解決した

  1. イスラエルに住む民は、祭司やレビ人ですら、その地の女と結婚して子供ができていた。9:1
  2. エズラは上着を裂き、髪とひげを引き抜いて、座り込んだ。そして主に祈った。9:3-15
  3. すると、民がエズラの元に集まってきてエズラに提案した。
    彼らは「律法に従って、異邦人の妻たちと子供たちを追い出しましょう」とエズラに言った。10:3
    彼らは協力すると約束した。
  4. エズラは捕囚から帰った民を集めた。
    3日以内にエルサレムに集まらない者は全財産は没収され、
    イスラエルの民とは縁を切られる約束になっていた。10:8
  5. ユダとベニヤミンは3日のうちに集まった。10:9
  6. エズラは彼らに「外国人の妻、その子供たちと離れよ」と命令した。10:11
  7. 全集団は、エズラの命令に従うと叫んだ。
    外国人の妻をめとった者は、その妻と子供たちと離別した。10:12-44

主の助けがある時には、不可能と思えることも実現する。

主の預言に励まされて、民は王の許可なしに神殿建築を再開した。結果、神殿は完成した

川向の総督たちの妨害によって、神殿再建は一度中断された。彼らはイスラエルの民が反抗的であること、イスラエルは一時は強国であったことを王に報告した。王は彼らの反逆を恐れて、神殿再建を止めさせたのである。アルシャスタ王の時代からダリオス王の時代までの約 年間の長きにわたって工事は行われなかった。
ところが、ハガイとザカリヤに主の預言が降った。主は彼らに神殿を再建するように命じた。
民は、即座にこの命令に従って建築を再開した。この時彼らは、総督たちのおどしにも屈しなかった。
かえって総督たちに神殿建築が始まった経緯を確認するように要求した。
これは、クロス王の命令で始まったこと。クロス王は、神殿の祭具をバビロンからエルサレムに運ばせたことを主張した。
その結果、工事は公に認められることになった。ペルシャのアルシャスタ王は、神殿再建のために全ての援助をするように総督たちに命令した。そして神殿は完成された。

主の言葉が降るとき、不可能が可能になる。民は、おびやかしに屈することなく建築を続ける勇気を得た。
私たちも主の命令によって、主のみこころを確信して行うことについては、反対者のおびやかしがあったとしても、強い信念と勇気をもって行うことができるものである。
ただこの当時は、主は預言者によってご自身の御心を語られた。しかし現在、主がこのように私たちに語られることはない。だから、主の御心については誰も断定できない。常に自分の判断が間違っていないかを吟味しつつ、いつでも変更できる冷静さをもって主の御心を求めていきたいものである。

主はどのように困難な状況下でも、民を守る方法を持っておられる。

神は、エズラが王の信頼を得るようにした。民は帰還し、エルサレムに再建された神殿で王のために祈りをささげ、律法によってその地が治められるようになった。主はイスラエルが占領下にあっても、民を守る方法を持っておられる。

主がエズラのすることを成功させてくださり、王の信頼を得るようにしてくださったのではないか。

エズラが有能であることを見て、王は彼をますます彼を用いるようになったと思われる。ヨセフの時も、エジプトの国で、主は彼の成すこと全てを成功させてくださった。彼は、監獄の中ですら、重要な仕事を任されていた。エズラも同様である。主は捕囚の地で彼と共にあって彼を助けられた。その証拠に、王は彼の願いをすべてかなえるほど、彼を信頼し全てを任せていた。
エズラはバビロンから上って来た者であるが、イスラエルの神、主が賜わったモーセの律法に通じている学者であった。彼の神、主の御手が彼の上にあったの で、王は彼の願いをみなかなえた。7:6

王は、律法に従うエズラたちの生活を見て、さらに彼を信頼したのではないか。

律法は良いものだと王は思っていた。なぜなら、占領地にエズラを遣わし、律法を知らない者に教えよ、そして律法によってその地をさばくようにと王は命令しているからである。
エズラよ。あなたは、あなたの手にあるあなたの神の知恵にしたがってさばきつかさや裁判官を任命し、川向こうにいるすべての民、すなわち、あなたの神の律 法を知っているすべての者をさばかせよ。また、これを知らない者に、あなたがたは教えよ。7:25

律法を守る人たちは、他の神々は拝まないが、国の定めを守り、道徳的な罪を避け、聖く生きようとしている人たちであることが、王にはわかったと思われる。だから、彼らの信仰さえ保護してやり、彼らの律法を守らせることで、ペルシャの法律を押し付けるよりも、かえってイスラエルの地は平和に治めることができると王は考えたと思われる。

これらは全て、主がなさったこと。主はどのように困難な状況下でも、民を守る方法を持っておられる。

結果として、イスラエルの地は、ペルシャの占領下にありながら、神殿が再建され、民は帰還し、律法によって治められることになった。こうなれば、占領下にあろうがなかろうが、事は同じである。彼は、主を礼拝でき、主のおきてに従って生きることができた。これこそイスラエルの民にとっての最大の願いであり、彼らの求める最大の自由であるからだ。

主は、占領下にありながらも彼らが主を信じる自由を与えられた。主は、どのように困難な状況にあっても、主の民を守る方法を持っておられる。私たちも、信仰が迫害される時、主のおきてを守って生きることが困難な状況化下にあるときであっても、妥協する誘惑に負けてはいけない。主を信じる生き方を貫くとき、主は必ずあなたにその生き方ができる道を用意されるからである。

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今から約2000年前、キリストは預言されていた通り、死んで3日後に復活し、ご自身が神であることを証明されました。神がおられるのですから、その方を無視して生きることは、神があなたを造られた目的を知らずに生きることを意味します。どうか、神を知り、神に生かされる確かな人生を歩んでください。そのために、聖書を学び、神について、自分について、知ることを始めませんか?