創世記25から35章「ヤコブの生涯」

Ⅰ 不妊の女、リベカに双子が産まれた25章21節から

イサクは40歳でリベカと結婚した。リベカはベトエルの娘で、兄がラバン。25:20
彼女は不妊の女であった。イサクは主に祈願した。するとリベカは身ごもった。お腹の中で子たちがぶつかり合うようになる。それでリベカは主に御心を求めた。主は、生まれてくる子どもたちについて、こう言われた。

二つの国があなたの胎内にあり、二つの国民があなたから分かれ出る。一つの国民は他の国民より強く、兄が弟に仕える。25:23
1、双子が生まれる。2、彼らは2つの国民となる。3、兄が弟に仕える。
リベカは主のことば通り双子を産んだ。このときイサク60歳。

兄:エサウ              弟:ヤコブ 
赤く毛深い             人を出し抜く者 かかとをつかむ者
生まれたとき、全身毛衣のようであった 生まれた時兄のかかとをつかんでいた
巧みな猟師、野の人          おだやかな人
イサクはエサウを愛す         リベカはヤコブを愛す
ヘテ人エフディテとバセマテを妻に(彼らはイサクとリベカにとって悩みの種)
その後、イシュマエルの娘マハラテをめとる。

Ⅱ 長子の権利を兄から奪うヤコブ

1、エサウに長子の権利を売ると誓わせた25:29~34
お腹をすかせて帰ってきたエサウ。ヤコブは煮物をしていた。

レンズ豆の煮物を与える代わりに、「長子の権利をヤコブに売る」と誓わせた。
エサウは長子の権利を軽蔑した。

2、リベカとヤコブは父をだます。イサクはヤコブを祝福する27章

  • イサクは年老いて、視力が衰え、よく見えなくなった。
  • イサクは、エサウを祝福するつもりだった。
  • それを聞いたリベカは、ヤコブをエサウに変装させ、イサクのところに行かす
  • イサクは、疑いながらも、ヤコブを祝福してしまう。
  • 猟から帰ったエサウは、そのことを知り、ヤコブを殺そうと思う。

Ⅲ おじラバンのところでの生活

1、ヤコブ、母の兄ラバンのところへ逃げる(ハランへ)28章

リベカ 「兄の怒りがおさまるまで、兄ラバンのところにとどまりなさい。兄の憤りがおさまり、兄さんがあなたのしたことを忘れた時、使いをやってあなたを呼び寄せる」しかし、兄は忘れなかった。27:44,45
イサク 「この地の娘を妻にしてはならない。ラバンの娘を妻にせよ」と命ず。28:1
ヤコブは、ベエル・シェバからハランに向かった。

2、ベテルで、主はヤコブの夢に現れ、彼を祝福した。28:11~

あなたの子孫は地のちりのように多くなる。私はあなたを守り、あなたをこの地に連れ戻そう。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない」28:13~15 

3、ラバンにだまされる

ラバンに2人の娘がいた。姉レア、妹ラケル。ヤコブは妹ラケルを愛していた。
妹ラケルを妻にする約束で、ラバンのために7年間無料で働く約束をする。
7年経って、結婚式の夜、ラバンは結婚相手をすり替えた。
朝になってみると、なんとレアであった。ヤコブは抗議した。
自分の土地では、長女より先に、妹をとつがせることがはしないからと言われる。
婚礼の週の後、ラバンはラケルも妻として与えた。
しかし、ラケルのために、もう7年間働かなければならないと条件をつけた。

4、レアとラケルの出産競争 30章

主は、レアが子を産むようにされた。
主はレアが嫌われているのをご覧になって、彼女の胎を開かれた。29:31
ルベン「子を見よ」主が私の悩みをご覧になった。今こそ夫は私を愛するだろう。
シメオン「聞く」 主が、私が嫌われているのを聞かれて、子を授けてくれた。
レビ「結ぶ」 今度こそ、夫は私に結びつくだろう。私は3人も産んだのだから。
ユダ「ほめたたえる」 今度は主をほめたたえよう
イッサカル「報酬を与える」女奴隷を夫に与えたので、神は私に報酬をくれた。
ゼブルン「ともに住む」今度こそ夫はわたしを尊ぶだろう。6人も産んだから。
ディナ 娘 女の子を産んだ

ラケルは、自分の奴隷ビルハによって子を産ませた。
ダン「正しくさばく」 神はわたしをかばい、男の子を与えてくれた。
ナフタリ「争う」 私は、姉との死に物狂いの争いに、ついに勝った。

子を産まなくなったレアは、自分の女奴隷ジルパをヤコブに与えた
ガド「幸運」 幸運が来た
アシェル「しあわせと思う」 女たちは私をしあわせ者と呼ぶでしょう。

とうとう、ラケルが子供を産む30:22
神はラケルを覚えておられた。神は彼女の願いを聞き入れて、その胎を開かれた。
ヨセフ「加える」 主がもう1人加えてくださるように

 

Ⅳ ラバンと距離を置く 30章25節から

1、ラバンの信仰は純粋ではなかった。 
「主が私を祝福してくださったことを、まじないで知っている。」30:27

2、ヤコブは、故郷に帰りたいと申し出る。
このときヤコブには自分の持ち物がなかった。

3、羊:黒毛のもの全部、やぎ:まだら毛、ぶち毛のもの全部をください。

4、ヤコブはとラバンの群れの間に、3日間の距離を置いて旅をした。

5、ヤコブは自分の羊を増やすため、大いに工夫した。

6、その結果、彼は大いに富み、男女の奴隷、らくだ、ろばを持つようになった。

 

Ⅴ 故郷に帰る。ラバンから逃げた(20年目) 31章

夢でヤコブに、主のことばが下る。「ラバンがあなたにしてきたことはみな、わたしが見た。あなたが生まれた、あなたの先祖の国に帰りなさい。わたしはあなたとともにいる。」31:3 31:10~

1、ヤコブの群れが強くなり増えた。
自分たちの群れが弱り減るのを見て、父の持ち物を奪ったと、ラバンと彼の息子たちは、ヤコブに敵意を持つようになる。

2、妻たち、すべての財産をもって、父イサクのもとに向かった。

3、ヤコブはこのことを、ラバンに知らせなかった。

4、ラバンは追いかけてきた。(ヤコブが育てた群れを自分のものにするつもり)
主はラバンに夢で警告を与えた。「ヤコブと善悪を論じないよう気をつけよ」

5、石塚を立て、ラバンとの間に契約をかわす。
「ラバンはヤコブを搾取しない。ヤコブはラバンに復讐しない」契約
彼らは共に食事する。この場は、ミッパ「見張りをする」と呼ばれた。
翌朝ラバンは、娘たちに口づけして、去って行った。

われわれが互いに目が届かない所にいるとき、主が私とあなたの間の見張りをされるように。私の娘たちをひどい目に会わせたり、もし娘たちのほかに妻をめとったりするなら、神が私とあなたとの間の証人であることをわきまえていなさい。」31:48,49

この石塚を超えてあなたの所に行くことはない。あなたもまた、この石の柱を超えて私のところに来てはならない。どうかアブラハムの神、ナホル神がわれわれの間をさばかれますように」ヤコブも父イサクの恐れる方にかけて誓った。31:52,53

 

Ⅳ 神と格闘して、祝福を得たヤコブ 32章

1、マハナイムで、神の使いがヤコブに現れた。32:1

2、ヤコブはエサウに使者を送ってメッセージを伝えた。
「好意にあずかるため贈り物をする」

3、使者から、エサウが400人を連れて迎えに来ると聞く。32:6

4、ヤコブは非常に恐れ、心配した。「エサウに打たれるのではないか」32:7

5、ヤコブは主に祈った。

6、大量の贈り物を選び、1群れずつをしもべに渡し、先に行かせた。自分は宿営地でその夜を過ごした。
おびただしい数の動物(やぎ220、羊220、らくだ30、牛50、ろば30)

主は彼を祝福して、非常に豊かにされたことがわかる。

7、その夜のうちに、ふたりの妻とふたりの奴隷と、11人の子供を連れて、ヤボクの渡しを渡らせ、先に行かせた。32:22

8、ヤコブは1人のこった。その夜、彼は神と格闘して勝った。「ペヌエル」

ヤコブはひとりだけ、あとに残った。すると、ある人が夜明けまで彼と格闘した。ところが、その人は、ヤコブに勝てないのを見てとって、ヤコブのもものつがいを打ったので、その人と格闘しているうちに、ヤコブのもものつがいがはずれた。
するとその人は言った。「わたしを去らせよ。夜が明けるから。」しかし、ヤコブは答えた。「私はあなたを去らせません。私を祝福してくださらなければ。」
その人は言った。「あなたの名は何というのか。」彼は答えた。「ヤコブです。」
その人は言った。「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたは神と戦い、人と戦って、勝ったからだ。」
ヤコブが、「どうかあなたの名を教えてください。」と尋ねると、その人は、「いったい、なぜ、あなたはわたしの名を尋ねるのか。」と言って、その場で彼を 祝福した。
そこでヤコブは、その所の名をペヌエルと呼んだ。「私は顔と顔とを合わせて神を見たのに、私のいのちは救われた。」という意味である。32:26-30

9、神は彼の名を「ヤコブ」から「イスラエル」に変えた。
「ヤコブ」 人を出し抜く者の意味
「イスラエル」 イスラは戦う エルは主 主と戦う人の意味
「ヤコブ」は、人をだまして出し抜く、悪賢い人間だったが、今は神と戦い、勝利して、神から祝福を勝ちとった「イスラエル」になった。

 

Ⅶ エサウとの和解 33章

1、エサウ400人を連れてやってきた。

2、ヤコブは先頭に立ち、女奴隷、レアとその子たち、ラケルとヨセフの順に進んだ。

3、ヤコブは、兄に近づくまで、7回も地に伏しておじぎした。

4、エサウは走ってきて、彼をいだき、首に抱きついて口づけし、ふたりは泣いた。

5、エサウは贈り物を受け取った。

6、エサウが「一緒に旅をしよう」と提案したが、ヤコブは丁寧にことわった。

7、「自分のしもべをあなたに使ってもらおう」と言ったが、断った。

8、その日、エサウは、セイルへ帰った。ヤコブはシェケムに宿営した。

 

Ⅷ シェケムの民を虐殺する 34章

1、その地の族長の子シェケムが娘ディナを捕らえ、寝てはずかしめた。強姦

2、男はディナを愛し、結婚を申し出た。

3、族長の父が来て、「ここに住み、互いに結婚し、1つの民になりましょう」と提案

4、シメオンとレビは、割礼を受けることを条件に承諾した。
シェケムは、結婚すれば、ヤコブの持つ家畜や財産を自分のものにできると町の人を説得した。
それで、彼らは割礼を受けた。34:23

5、しかし、割礼3日目で傷が痛んでいるとき、シメオンとレビが剣で町を襲い、すべての男子を殺した。

 Ⅸ 神に祝福されたイスラエル 35章

1、ベテルに住むようにと、主の命令が下る。35:1
ベテルは、主が、彼にはじめて現れたところ。

2、再び神は彼に現れ、彼を祝福して後、上られた35:13

あなたの名は、もう、ヤコブと呼んではならない。あなたの名はイスラエルでなければならない。
わたしは全能の神である。生めよ。ふえよ。1つの国民、諸国の民のつどいが、あなたから出て、王たちがあなたの腰から出る。
わたしはアブラハムとイサクに与えた地をあなたに与え、あなたの後の子孫にもその土地を与えよう。35:10-12

3、ラケルは、もう1人男の子を出産後、死んだ。
エフラテへの道中、ひどい陣痛が来て男の子を産む。

ラケルは、出産のため亡くなった。ヤコブは、彼女をベツレヘムの道に葬った。
ベニヤミン 私の苦しみの子 

4、ルベンは父のそばめビルハのところに行って、これと寝た。イスラエルはこのことを聞いた。35:22
イサク180歳で死ぬ。エサウとヤコブが彼を葬った。 

長子の権利の2つの側面
第1は、実際的、目に見える側面。これは、財産の相続を他の兄弟の2倍受ける権利

第2は、霊的側面。これは、アブラハムに約束された主の祝福を受け継ぐ権利

適応

適応1、 ヤコブが長子の権利を得ることは、神の定め。このように、神は、あらかじめ起こることを定めておられる。

ヤコブは、アブラハムの信仰を継承する家系となり、エサウは退けられました。
エサウには、ヤコブのように、神と格闘する信仰は与えられませんでした。
これは、神の定めと選びによることでした。
リベカに語られた、神の言葉が、その証明です。
2人は生まれる前、何の行いもないときに、兄は弟に仕えると神が決めておられたのです。(創世記25:23)

人の救いにおいても、神は、誰が救われるか、定めておられます。(エペソ1:4)
もし、あなたが本当の意味で救われているなら、その救いを失うことはありません。
あなたの救いは神が定めたものですから、どのように力ある被造物も、その救いを奪い去ることはできません。なぜなら、彼らは神の計画を変えることができないからです。これが、わたしたちが信仰について、安堵でき、感謝できる点です。

適応2、選ばれた者の人生には、苦難が多い。しかし、彼らは苦難の中で実を結ぶ。

信仰に選ばれた者の人生には、苦しみが多いものです。しかし、苦しみが多いからといって、神が無関心であられるとか、臨在されないということではありません。そのようなときも、主は、信者とともにあって、支えていてくださっています。

しかし、多くの場合、信仰における真の成長は、困難や痛みの経験を通してなされます。ヤコブは多くの困難を経験しました。信仰の父祖たち、アブラハム、イサクは、多くの苦しみを通りました。苦難を通して、彼らは信仰の人に変えられて行きました。一方、信仰から逸脱した人々、ロト、エサウ、サウルは、この世で多くの富を得、大いに楽しみましたが、彼らが天の御国を継ぐことはありませんでした。

「ヤコブ」は、自分の知恵に頼り、人をだまして、祝福を得る者でした。しかし、苦難を通して、彼は変えられました。最後には、神と格闘し、名前を「イスラエル」に変えられました。彼は、神に祈り、神に願って、神から祝福を得る者に変えられたのです。

ですから、自分の人生に悩みが多いと感じる時、未信者たち、には苦しみがなく、楽しんでいるのを見るとき、神を疑ってはいけません。
神は、あなたを愛しておられるからです。苦しみを通して、神は、あなたを聖めておられるからです。
主は、関心のない者に対しては、彼らの好きなようにさせます。それを、世の人々は、幸せだと言うかもしれません。
しかし、これこそ一番の不幸です。なぜなら、それは永遠の滅びを意味するからです。

ですから、私たちは、主が良き方であることを、決して忘れることなく、たとえ、この世で悩みが多くても、気落ちすることなく、前進しつづけていこうではありませんか。

 

適応3、神の契約の成就は、神の臨在、神の保護なしには成就しない。神は、ご自身と契約を交わした者に対して、最後まで見捨てることなく、守り導く。

神は気落ちするヤコブを励ますため、彼の夢に、何度も夢で現れて、語られました。ベエル・シェバでは、1人で家を出た不安な彼に、夢で現れてくださいました。
主は夢の中で、彼に、多くの子孫が生まれること、彼をこの地に連れ戻すことを約束されました。
ラバンの家を出るときには、「私が守る」と力強く励ましてくださいました。
エサウとの対面をおびえる彼に、主は、体をまとって現れてくださいました。
そして、彼と格闘され、彼に祝福を与えられました。
このペニエルの経験を経て、ヤコブはエサウと対面する勇気を得ました。
主はヤコブの人生の重要な局面のとき、彼に現れ、彼を励まし、守られました。
これらのことから、主は、ご自分と契約を結んだ者に対して、詳細にわたり、最後までかかわられることを知ることが出来ます。

私たちは、ヤコブと同じ信仰を継承する者です。
ですから、私たちに対しても、主は、ヤコブと同様にしてくださいます。
私たちの1人1人の上に、主は計画を定めておられます。その計画が成就するために、主は、私たちに臨在され、最後まで私たちを守り導いてくださいます。
たとえ、私たちが失敗の多い器であったとしても、主にとって問題ではありません。
自らの功績によらず、主の恵みによって、私に定められた主の幸いな計画が、成就していく人生を、歩ませていただけることは、本当に感謝です。このような、祝福の中に、招き入れてくださった主に、感謝が耐えません。

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「私と一緒に聖書を読んでみませんか?」

今から約2000年前、キリストは預言されていた通り、死んで3日後に復活し、ご自身が神であることを証明されました。神がおられるのですから、その方を無視して生きることは、神があなたを造られた目的を知らずに生きることを意味します。どうか、神を知り、神に生かされる確かな人生を歩んでください。そのために、聖書を学び、神について、自分について、知ることを始めませんか?